今からちょうど12時間前、ドイツ北部のとある山岳部の山間に、緑豊かな美しい風景を切り裂くような軍兵の隊列が現れた。 そうしてあっという間に兵士の群が、点在する家のうちの1つを取り囲んだ。赤い屋根の、こじんまりとした家だ。 先頭にいた黒い軍服の、体格の良い男が、一歩前へと進みでる。 ドンドンドン。 3回、強くドアが叩かれた。すぐに壊れてしまいそうだ。 「アーネスト=ロンメル、いるなら出てこい!」