もー、何が何だか全くわからない。
妻は死んだけど娘の葵衣ができて、でも中身は死んだはずの妻のさやかで…。
ん?こういうのを転生というのか?いやいや、いくらなんでも娘が妻って!!!
「ねぇねぇ、ねぇねぇ、ねぇってば!!!」
「え、あ、ごめん、ごめん。」
つい、この変な問題について考えすぎて、聞こえなかったみたいだ。
「どうした?」
「私思うんだけど、神様が葵衣の体でもう一度人生をやり直せって言ってるのかなぁ」
さやか…。
さやかは幼い頃、父親は大手企業の社長、母親はいくつものブランドを数知れず立ち上げてきたキャリアウーマンととても忙しいというのがあり両親が家に居らず友達も居なかった為、ずっと一人で寂しい思いをして過ごしていた。その反動で、中学後半ぐらいから不登校になり、夜な夜な遊び、暴言・暴力を振るうようになったりしてグレてしまっていた。寂しさと悲しみで…。そしてさやかが高校二年生の時、俺と出会って本来の明るいさやかへと段々変わっていった。
だから、もう今は悪くない。
「そんなことないと思うよ、俺は神様がまた俺達を結び付けてくれたんだと思う。」