「おぎゃぁぁぁぁぁぁ」
「おめでとうございます、元気な女の子ですよ」
そう言って助産師さんは俺の元に生まれたばかりの娘を抱いてきた。
(可愛いなぁ、さやかにそっくりじゃねーか。さやかにも見せてやらねーと)
「さやか、俺たちの1番最初の子が……
   おい、さやか?おい、しっかりしろって!」
娘を抱いて出産を今終えた妻の方を見ると、助産師さん達が手を合わせていた…

そう、娘が誕生する時、妻は力尽きて亡くなっていたのだ。
「奥さんはよく頑張りましたよ」
そう言って周りの先生方は僕に声をかけてくれたが、俺は娘を抱いたまま当分死んだ妻のそばから離れることが出来なかった…