季節が代わり、じめじめとした6月。
湿気もすごくて、梅雨をひしひしと感じる。
あんなことがあって、
余計に皇太くんを意識してしまうようになってしまった。
正直、
始めよりも喋る機会が少なくなっている。
なぜなら…
『おい、こーた!
宿題見せろってば!』
『なんで見せなきゃいけないんだよ!
自分でやれよ。』
『だってお前、頭いいじゃんっ。』
こんな感じで隣が最近ガヤガヤしている。
さすがにもうクラスには馴染んできて、
友達もだいぶ増えたようだ。
まー、相変わらず女子は近寄らないけど。
興味の欠けらも無いみたいで。
「音葉!
最近、皇太くんと話してないんじゃない?」
その通りだよ。
あれから1週間がたったのに、
喋ったって言ってもペアワークとかぐらいだ。
「隣なんだけどねー…」
「話せばいいじゃん!」
依桜は簡単かもだけど…。
「だって…ねぇ…。」
隣をみてごらんよ。
やっと友達出来たっぽいのに邪魔したらまずいでしょ。
「まー、あれは邪魔出来んか…。」
「ふふふふ…。
馬鹿だなー、依桜に音葉。
喋り時なのに。」
検索、
喋り時とは?
「おとちゅあん。今喋れば、
同時に2人の男子と喋れるでしょ?」
こいつ…
やり手だ。
モテるってことってこういうことか?
こいつらこういうことをしているのか!?
「愛空、音葉はそういうの苦手じゃん。
分かってるくせに…」
いおちゅあん…。
分かってるくせにって、
ただそういう機会がないだけだわ!
なんかイベントがあれば…
きっかけがあれば…
喋るなんてたやすい!