私は、家の玄関であさみんを待っていた。
しばらくして、キョロキョロしながらこっちへ近付いてくるあさみんを見つけた。
「あさみん!」
と私は言った。今日はあさみんこと、朝日ちゃんと遊ぶのだ。私を見つけたあさみんは
「ゆめりーん!」
と言ってこっちへ来た。
今日は私の家で女子会という名の恋バナ大会だ。あさみんも私も好きな人がいるから、毎回凄く盛り上がる。
「はいってはいって!」
私は玄関のドアを開けて、あさみんと家に入った。
そして、あさみんには先に部屋に行っておいてもらって、私はキッチンからジュースとポテトチップスを取った。
そして、部屋にむかう。
ドアを開けると、あさみんは机の前に座っていた。私は、机に持ってきたものを置いて、あさみんの向かい側に座った。そして、恋バナ大会ははじまった。
「ねえ、最近どうなの?」
先に聞いてきたのはあさみんだった。
「えーっ。最近は、よく喋れるし、いい感じ?」
と私は答えた。私は、隣のクラスのコウタくんが好きだった。
「いいなあ。私なんて、目も合わないよ~」
とあさみんは言う。あさみんは、カイが気になる様だった。
それに対してカイは、霙ちゃんが気になる様だった。複雑だ。
「でっ、電話で話してた、海くんの好きな人分かったってどーゆー事!?」
そうだった、忘れていた。今日は、カイの好きな人が分かったかも知れないから、恋バナ大会を開いたのだった…。
私は、なんとなくカイに申し訳なく思った。胸がキューっとなった。けれど、あさみんは本気でカイが好きなんだから、いいよね。
そう思って、意を決して言った。
「カイの好きな人は…」
「好きな人は!?」
私は言った。
「隣のクラスの霙ちゃん」
あさみんは凄くショックを受けたようで、俯いている。
「えっ、本当に…霙ちゃん?あの?」
とあさみんは聞く。そう、あの霙ちゃん。と答える。
霙ちゃんは、凄く…なんていうか、ハデな子だった。髪の毛が元々、茶色だというのもあるのだろう。
仲いい子で集まって、きゃあきゃあ言ってる、凄く女子女子しているグループのリーダー格だ。私は、そのグループが嫌いだった。
なのに、カイはその子が好きだと言うのだ。そして、なぜか、心が痛い。言っちゃダメだったのかな、と思うと、罪悪感が生まれた。カイは、見る目が腐っているのじゃないかと心配になる。
「そう、らしいよ。直接聞いてはないけどね。ウワサだから、ウワサ」
と付け加えて置いた。今日は気分がのらない。さっき、カイに電話なんてしたからだ。きっと。
だから罪悪感があるんだ。別に、幼馴染だからといって、愛だの恋だのがある訳じゃない。だけど…モヤモヤするのはなんでだろう。