お隣さんと内緒の恋話

柚奈と分かれ、私は携帯を手に電話をかける。



「 あ、お婆ちゃん?私、椿。あの話どうなった?」

『 ああ、大丈夫だよ。パパたちにはお婆ちゃんから言っといたから、今からおいで 』




うわぁ!!やった~




私は一月前、お婆ちゃんにあるお願いをしていた。

アパート経営している大家のお婆ちゃんに、部屋が近々空くからと聞いていて 住みたいと懇願した。


その理由は、両親にある。


そして言われた事。




「 椿、パパとママから話があるの。ママねぇ… 赤ちゃん授かったの、今、2ヶ月 」

「 は…… 赤ちゃん!?」




ママから言われた時は耳を疑った。

ママ達は40歳、私は一人っ子の17歳…


なぜ今 赤ちゃんなのかと開いた口が塞がらなかった。


それを知った お婆ちゃんは めでたいと喜び、私はそんな3人を見ていて悪知恵というヒラメキが頭をノックした。


だから表向きはパパとママに 私に構わず育児に専念出来るようにと、私はお婆ちゃんを説得し、夢の一人暮らしを目論んだ。


お婆ちゃんは私を優しい子だと言って 近々空く予定の部屋があるからと待つようにと教えてくれた。

そして、とうとう部屋が空いたからとの嬉しい報告をもらった。




『 椿、お隣も土日のうちに引っ越してくるから、挨拶しなさいよ 』

「 はーい!じゃあ、今から行くね~ 」




お婆ちゃんとの電話を終えて 私はアパートへルンルン気分で向かった。