葵に溺れても悔いないなぁ 私… えへへ。



甘~いキスのあと やっぱり二人で照れ合いながら ぎこちなく会話を始める。



「 ねぇ 葵、私 みんなに付き合ってる事話したい 」

「 …椿がダサ男の俺となんて知ったら 嫌なめに合わない?」

「 そんなこと!あってたまるもんですかっ 葵はダサ男じゃないもん、私が一番よく知ってるから、なんか言われたら100倍にしてネチネチ ネチネチ文句言ってやるわ!
もう、夢に見るくらいねっ 」



私が拳を握り いきり立つと、葵は ぶふーっと吹き出した。

髪をかき揚げ、眼鏡でもハッキリわかるイケメンな葵。

私は見とれてしまった。


葵ったら、みんな その素顔見たら 雅くんより囲まれちゃうんだから。



わかってないよ… 葵の魅力。

女の私が勝てないと思うもん。




「 葵~ こら、笑いすぎーっ!」

「 ごめん、椿があんま一生懸命だからさ 」



も~ ね、許すしかないわ。

笑顔見ちゃったし、またキュンってしちゃったし。




「 はっ!! 香伊羅がくれたパン食べてないっ 」

「 パン? あと10分あるし、食えば?見てるから 」



見てるの?うそ、いやん。

でも照れてる暇ないわ、食べなきゃ時間が~



「 いただきまーす、っ!?」



え…



香伊羅にもらったグラタンコロッケパンをパクリとかじると、椅子に座る私の腿に葵が頭を乗せ器用に横なった。




こ、れはっ… 膝枕じゃないの!?

葵、なんて大胆不敵な…

図書室で、デカい体を簡単に横にしちゃうとは、悪めっ




「 んぐっ、ぐふっ…」



詰まった、喉に詰まったぁ



「 前は保健室だったな、この光景。一気に食うなよ…ほら、飲んで 」

「 はひらと… 」




あ、緑茶… あの時と同じだ。



「 ん… 葵って 緑茶が好きなの?」

「 緑茶は体にいいし、ジュースより好きだけど 」



やだ、葵オジサン…

でもそこがまた、好き。