お隣さんと内緒の恋話

私と葵が部屋にいる間、リビングにいて私と葵を待つ柚奈と加寿也は話をしていた。




「 ねぇ 加寿也さん、さっき先生の部屋で話してたら 妙な事 思っちゃったの 」

「 雅が何かした?」

「 ううん、まさか!でも 夜這いか?なんて言われたけど そうじゃなくて…
先生がね、私の勘なんだけど 椿のこと好きなんじゃないかって思ったの、加寿也さん どう思う?」

「 どうって… 雅が椿ちゃんを? 弟の彼女を好きになるほど 困ってないだろ、雅はムカつくくらい昔からモテるし 」

「 じゃあ やっぱ私の勘違いかぁ 先生の秘密 握ったと思ったのにな~」

「 残念だな 」




二人の会話のあと、私と葵は部屋から出てリビングに行き夕食を食べる。


何も聞かない柚奈は やっぱり加寿也しか視界に入ってない。


加寿也は私たちを見て 笑みを見せただけで 何も言わずにいる。


個々それぞれに思うことがあり、口にする事は まれだ。



夕食後、時間は8時。



加寿也が柚奈を送るからと、二人が帰って行く。


私は葵と1時間だけ一緒に過ごす事にした。


柚奈を送る加寿也は特に自分から話をしないため、柚奈一人が口を開いていた。




「 加寿也さん… 聞いてもいい?」




赤信号で止まると、加寿也に気になることを聞く柚奈。




「 ん?」

「 聖奈さんって、加寿也さんの忘れられない人?」

「 …そうかもな。それも、終わったけど 」




それを聞いて これ以上は聞かない方がいいと察した柚奈は そのまま自宅まで送ってもらう。




「 ありがと、加寿也さん。帰り、気をつけて… 」



軽く手を上げ笑みを見せる加寿也に、柚奈も手を振り 見えなくなるまで 加寿也の車を見つめた。


柚奈は思う… 始まろうとする恋心を始まる前に戻すなら今だと、そして呟く。



「 椿… 私、もうフラれてるかも… 」