お隣さんと内緒の恋話

りんごを食べさせろと口を開けて待つ雅に、なかなか 食べさせない私。

目を開けて私を見る雅は 文句を言い出す。



「 りんごくらい、一口だけなのに… 俺病人なのに… 看病しに来てるはずなのに… はあぁ~ 」




くっうぅ… 雅くん その口がムカつく!




「 それだけ喋れたら食べれるよね~ 」




どうぞ と言わんばかりに りんごを差し出すと、雅が私の手首を掴み真剣な顔をする。




え… ちょっと?



「 椿、食べさせて? 」



えっ…



小さくドキッとしたが、真剣な雅を見てるうちにドキドキが近くなってきた。



呼び捨てで名前なんて 今まで一度も…

なんで そんな真剣なのよ…



「 り、りんご? 」

「 食べさせてくれる?」



はは… りんご、だよね…

そこまでして 食べさせてほしいとは。



口を開ける雅にりんごをかじらせる私。

雅の掴む手は熱く まだ離されていない。



「 りんご!」

「 え、あ、はい 」

「 ん~ うまい!」




とりあえず食べさせていく私は 腑に落ちない心境だった。

そんな時に限って思い出してしまう 雅とのアクシデントなキス。



あ~ やだ、バカバカ!

ちょっと どうかしてるっ なんで 思い出すのっ

あれは キスじゃないから!




「 椿? りんご~ 」



んもうっ、なんなの…



「 雅くん、りんごくらい自分で食べてよ 」



呼び捨てされると 調子狂うじゃん。



「 食べ終わるまでいるならな?」



なんでそうなるの!!