お隣さんと内緒の恋話

柚奈がリビングに戻ると、ミステリー映画は終わろうとしていた。




「 椿 」

「 柚奈… 雅くんと話せた?」

「 うん。先生って、二面性あって おもしろいね 」




え~… どんな話してたの?




「 お腹すいた!上山くん、ご飯は何作るの? 私 手伝うよ、椿よりは役立つし 」




は~!!なんて事をっ




「 柚奈、あんたねぇ!」

「 はいはい、上山くん借りるよ~ 」




私は柚奈に連れていかれる葵を見つめ、仏頂面していた。

それを見ていた加寿也は笑っている。




また… 笑いすぎだし!




「 椿、りんご剥くから兄貴に持ってってくれ 」

「 うん、OK!」




りんごを剥く葵のそばで手元を見ては顔を見る。

そんな私を柚奈が見ていて なぜか呆れる。




「 椿… あんた素直でいいね 」

「 ちょっと柚奈、なんかトゲあるけど?」

「 椿、りんご雅に持ってって 」

「 はーい 」




互いに横目に見て、私は葵に渡されたりんごを手に雅の部屋に行った。




「 お邪魔しまーす 」

「 次は椿ちゃんか… 忙しいな、俺。モテモテだな 」




いーや、違うね、絶対に。




「 雅くん、何の妄想か知らないけど 元気だね 」




そう言うと わざと咳をしてみせる雅に呆れる。

りんごを渡そうとすると、目を閉じて口を開ける雅。




これって、つまり… しろと? してくれと?




「 椿ちゃん、あーん!してんだけど、まだ?」



やっぱりね…



「 まだ?」



どうしてくれようか… 病人だけど。



「 まーだぁ?」



あ、なんかムカつく。