葛西との話に決着つき、葵と二人でデパート3階に上がる。




「 椿、映画見る?」

「 うん、見たい!」




カップルの定番、映画。

デートだよ、デート。楽しみ~




「 何が見たい?」




何が見たいか…

ん~ 葵はラブロマンスは苦手だろうし…

やっぱりアクションか、冒険もの…




「 椿が決めていいよ 」




なんと!葵ってば 優しい。

ん~ でも逆に悩むなぁ…




「 じゃあ、とりあえずポップコーン買お 」

「 いいよ 」



「 ダメだよ、椿ちゃん 」




へ?



呼ばれて振り向くと、いないはずの雅がいた。





「 雅くん!? なんで、どうしているの?」




だって 葛西くんと残して葵と来たのに…

なんでいるわけ?

しかも映画館にいるってなんでわかったの?




「 雅… 着いてくるな!俺は椿と…」

「 はいはい、俺も一緒に来たんだから 金も俺が出すし?いいだろ、席は離れて座るからさ 」




あ~… 雅くんて 葵のフンだよ。

なんで邪魔するかなぁ

一人が寂しいとか?

ないない、雅くんに限ってない。




「 椿、何見る?」

「 俺は冒険がいいけどな~」




よし、じゃあ反対にする!




「 アクションにしよ、決定 」




見る映画を決めた私に、雅は 不満そうに見てくるが、知らん顔して葵に笑顔を向けた。

雅は渋々 チケットを買いに行くと、葵が私と繋ぐ手を離した。




「 葵?」

「 パンフ買ってくる 」




あ、パンフ… 葵はちゃんと買う人なんだ。




「 椿ちゃん、はい券ね。…アクションかぁ
耳痛くなるぞ~ カーチェイスにガンアクションは 」

「 それがなかったら つまんないでしょ。嫌なら雅くんだけ違うのにすればいいのに 」

「 うわ、椿ちゃん冷たい… 」




はいはい、いい大人が… 言ってなさい。