「 葛西くんさ、兄弟だからって言うのを私が利用したって言いたいわけ?」




ムカつく…



「 上山先生と付き合ってんなら、それもアリだろうな 」




ムカつく……




「 葛西、悪いけど 雅は…兄貴はそんな器用じゃない 」

「 だから?あれだけ女子に騒がれてたら やっぱアリじゃね?」




こんのっ… バカ!




「 ちょっと!!いい加減っ…」

「 はい!ストップ~ 織原、葵、葛西も お待たせ 」




雅くん!?

遅いよ、来るのっ




私は席を立ち葛西に向け怒ろうとした時、雅が現れ止めに入った。




「 上山先生… なんだよ、3人で俺を 騙すつもりで来たのかよ 」

「 そんなわけないし、デート潰して わざわざ来てあげてるじゃない!」

「 まぁまぁ、織原。で、葛西は納得してないんだな?」




してないね、全然。

玲音より頭が回る感じだけど、なんか タチ悪いよ。




「 葛西、葵は俺の弟で 学校じゃあんまり知られてないけど、弟を利用してまで、ましてや教職賭けてまで生徒と恋する気はないよ。
それに、君のお姉さんの彩香さんとも付き合ってないよ、友人の知り合いで知ってて、君の事を相談されてただけ。
今 話したことに嘘偽りはないけど、これを理解出来ずいると 俺より お姉さんが困るんじゃないか?」




淡々としっかり話した雅に、葛西は口を挟む暇がなく、黙っているしかなかった。




「 先生が彼氏じゃないなら… 昨日マジで見たし、織原と先生を 」




まだ言うか!




「 あれは俺じゃないよ、俺は彩香さんを病院から送ってたしな。葵は昨日 俺のジャケット着てたから見間違えても仕方ないな… 」




疑うように雅と葵を見る葛西に、葵が口開く。




「 兄貴、ジャケット脱いで 」



葵?



「 ああ、着るか 」



あ、なるほど!




雅が着ていたジャケットを脱いで葵に。

葵がジャケットを着て 眼鏡を外し 前髪を少しよけて顔が見えるようにして葛西を見る。




「 …ヤベェ、マジかよ 似てるし 」




ほら、ほらほらほーら。

偽 雅くん完成!

にしても……

葵ったら、カッコいー!