お隣さんと内緒の恋話


リビングに私と向かい合い座る。

意識せずとも正座になる私。



「 パパ?」

「 椿… お婆ちゃんから聞いたぞ?一人暮らしするって… なんでパパたちに話さないで勝手に決めて、しかも先にお婆ちゃんに話すとは 」



ああ… その事かぁ…

今さら反対とか言い出さないよね?



「 ごめんなさい、私はただ、ママの体を思って… 」



だって妊婦だし、私の事で面倒かけたくないのはほんとだし。



「 単に一人暮らしがしたかったってわけじゃないんだな?」



は、うっ… 図星だけど ごまかさないと!



「 違います!パパ、ひどい… 赤ちゃんのためにも私は私なりに自立しようと考えただけだもん。それに、学校近いから 」

「 椿ったら… いつの間にか成長してたのね… パパ、椿は私を思ってくれたのよ、お婆ちゃんだってそばにいるし、見守ってあげましょ? 」



そうそう、ママの言う通り!



「 ママがそう言うなら、そうだな… 椿、夕飯はお婆ちゃんとだぞ? 自炊もしろよ、うちにもちゃんと連絡入れなさい 」



やーった! 私の勝ち!



「 うん、わかった。約束する 」



やったね!万歳、私!



難を逃れたようにホッとする私は 両親と夕食を済ませて部屋で引っ越し準備をしていた。

一人暮らしと言っても 自分の部屋が違う場所に孤立するだけ。


それでも、私の悪知恵は見事に叶った。