私が雅と密会していたという話は 単なる噂としてしばらくあったが、女子の気持ちは一途。

雅に憧れ、本気で好きだと思う女子も少なくない。


私は葵が隣にいるだけで、心が和む。


柚奈と香伊羅に壮真、私の彼が誰かわかり、驚く事もあったが、それはそれ。


何より、前にも増して私は葵とラブラブだ。




とある土曜日。




私は朝から気分ルンルンで服を選んでいた。

なぜか…





「 デート、デート、ハッピーデート~ 」




葵と初めての、デート!




「 何着よっかなぁ?ふんふんふん、可愛い私は葵と、デート~ 」




って、歌ってる場合じゃないっての!


私はキャミソールにパイル生地のサムエルを履いて姿鏡の前で着ていく服に悩んでいた。




んん~… どうする、どうする?




「 椿! 椿!!」




インターホンを鳴らしながら、玄関ドアを叩く葵の慌てた声に、私はすぐに玄関へと行きドアを開けた。




「 椿っ 」

「 葵?なに、どうしたのっ 」




中に入る葵は顔面蒼白。




「 葵? 顔色悪いよ、大丈夫?」




部屋に入るなり座り込む葵のそばに私も座る。




どうしたのよ~

気になるよ~




「 椿、雅が… バカ兄貴が… 」




え、なに!? 雅くん?




俯き 微妙に震えだす葵。

私は葵の腕に掴み寄り添った。




「 葵、ねぇ 話して!」

「 雅のヤツ… あれだけ、あれだけ言ったのに… 部屋に女連れ込んでやがった!!」


「 え、ええっ!!」