お隣さんと内緒の恋話


じゃあ、と壮真は柚奈を連れて公園を出たのがわかった。

よく バレなかったとホッとしたものの、なぜか葵が私を離さなかった。



「 ねぇ、離してくれない?」



一応これはおかしいよねぇ…

彼女じゃないし、抱きしめられちゃってるし…



「 上山 葵!離してよっ 」

「 メアド交換しようか 」



なぜ!?

どうして!?



「 じゃないと… 」



じゃないと? 嫌な予感しかしない。



「 わかった!だから離して 」



貸しも何も、サボりもとにかく今は離してほしかった。

葵の腕が緩み離されると 私は メアドくらい何でもないと思い交換した。



「 もう、いいよね?私帰るから 」

「 いいよ 」



私はズンズンと歩き公園を出た。



嘘でも送ろうか?とかないわけ!!

それにしても…

ダサ男のくせに カッチリしてた…

や、やだ… 今ごろドキドキしてる!?

私 おかしいっ!

思えばむやみに密着しすぎてたかも…

何してんの私は!!



足取り 憂うつに重く 私は自宅のある団地へと帰った。

帰るなり、玄関にはパパとママが仁王立ちして私を待っていた。



「 ただ~い…ま… 」



え、なに?

二人してなんで?



「 椿… パパは悲しい 」



へ?



「 ママだって悲しいわ 」



は?



「 パパ、ママ、なにが悲しいわけ?私 帰ってきたんだけど… 」



パパとママは互いに見つめ合うとため息ついた。