いきなり車を止めた雅が私の顔をじっと見る。
なぜバレたの?
「 椿ちゃん、ごめん 」
え…
「 痛っ 」
雅に掴まれた手首に痛みで顔が歪む。
「 やっぱり。見たよ、完璧 偶然に。保健室に鍵かけるの忘れて戻ったら 椿ちゃんと真山たちが見えたから… なんで言わない、なんで隠す?」
見られてた…
どうしよう、ごまかしても雅くんには通用しない…
「 黙るしかないよ、雅くんも関係してるんだもん。
噂が大きくなって、あの二人が逆に広めてたりしたら、雅くんがひどい目に合うかもしれないし…
葵まで心配するよ。
そんなの 嫌だし、派手に転けたと思えば大丈夫 」
「 …我慢する価値はないよ。でも、可愛い弟のために黙るよ… 仕方なく、諦めて… かなり苦しいけど… ハァ… 」
なによ、クドいよ!
大人のくせに~
「 どうしたら黙っててくれるの?」
「 貸しね、二つ目 」
出た…… また貸しだよ、貸し。
兄弟して そればっか。
それにしても 雅くん、事の大きさわかってんのかな?
「 雅くん、A組の二人が雅くんを好きってわかってて言ってるんだよね?」
「 ん? そうなのか? 女子はみんな好きって言うから気にもしてないな 」
どっからくるの、その自信…
イケメンは認めるけど。
「 それにしても、可愛い女子は怖いな… 弟の彼女にこんな… これ以上 椿ちゃんに傷がついたら葵に捧げられないよなぁ 」
は、い? なんて?
って何を!
「 雅くんっ なに言ってんの!? 捧げるって、私は貢ぎ物じゃないんだから!」
「 なに、葵に捧げないの?あんなことや、こんなことや、そんなこと… 」
きゃあっ! やめて、恥ずかしいっ
「 ちょっと!信じらないから~ 仮にも先生のくせして なんて事言うのーっ!!」
「 仮って言うな!本物だ、本物!」
まったくもう…
葵の顔見れないじゃん。



