お隣さんと内緒の恋話


柚奈の言いたいことがわからない私は 首を傾げた。

そんな私に柚奈はニッコリ微笑んで両手で壁ドンして 私は目がチカチカした。




「 うわっ 柚奈 ここトイレだからさぁ… 」

「 もう! なんでピンッとこないわけ?
上山先生を狙ってるって事はだよ、椿は今 一番お邪魔虫なわけ。
笑里から聞いたし知ってるし、で、噂は尾ひれを付けてなんとやら~よ!
しかも、今日の補習にあの二人の名前もあったでしょって話、おわかり?」

「 はい… わかりました~ 」




怖い、柚奈さん…

話はわかったけど、なんでA組の子達が?




「 ねぇ A組の子達がなんで…」

「 赤点一人や二人残してやるより昨日 A組のテストで赤点とった生徒もまとめて補習なわけ!
いい? 椿、補習見るのは上山先生よ、しかも あんたも補習。危ないよ、椿 」




柚奈の言ってることは理解出来るが、私は雅とは関係がない。



「 つーばーき~ 私 関係ないのにぃ なんて のんきな事思ってる場合じゃないからね!
あんたの彼氏が誰かは知ってるけど、周りには そんなの関係ないんだから 気を付けるんだよ?」

「 え~…」




そんな事言われてもなぁ、困る。



チャイムが鳴り、私と柚奈は教室に戻った。

チラリと葵を見て自己満足し、内心 片隅で柚奈が言っていた事を忘れずにいたが、時間はあっという間に過ぎていく。




気をつけろって言われてもさ、どうすればいいわけ?




__そして放課後。




補習が始まるまで30分あり、帰る柚奈と壮真、香伊羅、笑里と玲音、そして葵が私の横を通る時 私に呟いた。




『 図書室に…』



葵、うん。



私は 葵が教室を出たのを確認してから 追うように教室を出て図書室に向かった。




ドキドキする…

図書室で葵と会う。

葵が私を待ってるー!




図書室へ向かう一歩ごとにドキドキが加速していくのがわかり、かえって緊張してしまう。




「 ……葵?」

「 椿、ここ。おいでよ 」




ひんやりした空気の中でこの瞬間、ドキドキが風船のように パパパンとたくさん弾けた。

棚と棚の奥へ行く葵に 私も行くと、葵が優しい笑みで私を抱きしめ受け止めた。