君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


「恋愛全然興味ないお前がってのがまたウケるわ~」

「ウケなくていい! ったく、ほんと勘弁してほしいよ。名前も思い出せない先輩とふたりきりにされた、あのなんとも言えない居心地の悪さ! あんたにも味わわせてやりたいわ」


ため息と一緒に疲れを吐き出そうとして、失敗する。

それに対して深月は猫みたいな目を嫌そうに歪めて舌を出した。


「全力で拒否するね。つーか、なんで寄りにもよってお前だったの? 告白すんのにダチ連れてくって時点で理解できねーけど。連れてくにしてももうちょっとマシな奴いるだろ」


おい、それはいったいどういう意味だ。

と、言ってやりたいところだけど、あたし自身そう思うくらいだから、深月の疑問は当然だ。

もっと恋バナが好きで、真剣に応援してくれるような、あたしより適任者は他にいっぱいいたはずなのに。


それでも加奈子が選んだのはあたし、小島歩だった。


「頼りになるからって」

「は?」

「いてくれるだけでなんか安心するから、ついて来てって言われたの!」