君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


「終わるわけないじゃん! せっかく心をこめて書いた手紙は、その役目を果たせなかったんだよ? 受け取り拒否された証みたいな手紙を、書いた本人が残しておけると思うの?」

「じゃあ……捨てるんだろ」

「そうだね! もしかしたらぐしゃぐしゃに丸められてゴミ箱にポイってされるのかもしれないし、ビリビリに破られたりシュレッダーにかけられるのかもしれない。あとは……絶対目につかない所に隠すようにして封印されるって可能性もある」


越智くんは、それがどうしたって顔をしてる。

俺には関係ないって顔を見ると、イライラしてきた。

腹立たしさのまま、地面をドンと強く踏んだ。


「越智くんは、手紙がかわいそうだと思わないの!?」


本気で、心から、越智くんの気持ちを真剣に尋ねた。

そう、あたしは真剣だったんだ。

なのに越智くんときたら唖然とした顔であたしを凝視してくる。


「……はあ? 手紙? 書いたやつじゃなくて?」