君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている



「なんとか言えよ……歩」



ひどく険しい顔で名前を呼ばれた。久しぶりに呼ばれた。

さすがのあたしも、これが照れ隠しだってことに気付いてしまって、心臓の音がどんどん早まるのを感じる。


恋愛なんて、何が楽しいのかわからなかった。

変わることを恐れるあまり、大切なことに目がいっていなかったんだ。


例え形が変わっても、大事なものがあった事実は変わらない。



例え形が変わっても、大事なものがあった事実は変わらない。

想いの深さもまた、変わらずそこにあり続ける。



あたしが、忘れさえしなければ。






「……任せてよ。この手紙、間違いなく届けるから!」






もう怖がらない。

新しい形もきっと、愛していけるはずだから。












・+*。あなたの恋文届けます。*+・





END