もうあの砂の落ちる音は聞こえない。

砂時計なんて、あたしの弱い心が作り上げた妄想だ。


落ちる砂なんて最初からなかった。


あったのはそう、ずっと未来まで続いていく、真っ白に輝く砂の道。

キラキラ瞬いて、歩いてきた足跡をくっきりと残す、砂の道だった。


ずっと一緒に歩いてきた、優ちゃんの足跡もちゃんとそこにある。

それだけで充分だと思った。


これからも、あたしは優ちゃんの幼なじみでい続ける。

そして前よりもしっかりして、優ちゃんを支えて歩けるようになるんだ。


もちろん、智花も一緒に。


あたしたちの形は変わっても、みんなが笑っていられれば、それでいい。それでいいんだ。