「そうだよ! 何度だって言うから! 智花は優ちゃんに会わないといけないの!」
「押し付けないでよ! お見舞いなんて、行きたい人が行けばいいじゃん!」
「ほんとは行きたいくせに、何意地張ってんのっ!?」
智花はグッと何かを言い淀み、苦いものを噛んだような顔をした。
やっぱり……。
その表情を見ていると、脱力感と罪悪感にみまわれて、ため息を吐かずにはいられなかった。
「会いに行ってあげてよ。智花が行ったら、きっと優ちゃん喜ぶから」
「……何言ってんの。あたしが行って喜ぶわけないでしょ」
「喜ぶよ。あたしが言うんだから、間違いない」
「なにそれ……」
智花がかすかに笑う。頑なな蕾が綻ぶような、張り詰めた糸がゆるむような、そんな笑い方だった。
「会いに行けって言うけど、優くんまだ無菌室ってところにいるんでしょ?」
「詳しいじゃん。お母さんに聞いたんでしょ。やっぱり気にしてたんだ」
「別に、お母さんの方から勝手に話してきただけ」
「そういうことにしておいてあげてもいいよ。……優ちゃん、そろそろ無菌室出られるみたい。お見舞い行った部員が教えてくれた」
「え? じゃあ、良くなってるの?」


