君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている



「関係詞が苦手って奴は多いけどな、受験じゃ必須問題だからなー。苦手だからってわからないままにしとくと、あとで痛い目見るぞー。関係詞が入ると長文だけどそこでくじけんなー。まず長文を分けるところから……」


40代英語教師のやる気のない声を聴きながら、あたしは開いたノートに目を落としていた。

といってもノートは真っ白。持ってるペンもただ指の間でくるくる回しているだけだ。


午後の授業が始まっても、あたしはまだ考えていた。自分がこれからしなくちゃいけないことについて。

ソーダの泡みたいにぽこぽこ浮かんでくる考えは、すぐに弾けて消えてしまい、ちっともまとまらない。


手紙、渡さなきゃ。まずはそれしかない。

変わるって、優ちゃんに寄りかからないって決めたんだ。深月のことだって同じだ。


あたしはもう、砂時計の中から出なくちゃいけない。

どうあがいても、砂が落ちるのは止まらないんだ。だったらムダなことしてないで、外で出てやるべきことがあるはず。


あたしのわがままから、優ちゃんと深月を解放してあげないと。


だから引き出しに隠しているあの手紙を、ちゃんと届けなきゃ。