君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


「でももう1回歩に頼むわけにもいかないし、歩も休業するし。あの時あたし逃げちゃったから、今度はちゃんと自分で言いに行こうと思って」

「じゃあ、告白したんだ?」

「うん! もう1回手紙書いて渡しに行った! フラれるにしても、やっぱり直接聞きたかったし。でもさ、先輩あの時のこと覚えてて! 歩のこと思い出して笑ったの!」



笑われたのか、あたし。

確かに渡すことに必死で、めちゃくちゃなこと言ったかもしれないけど……。


「……って、え? また手紙書いたの?」

「そう! 今度はちゃんと、自分で渡したよ! そしたらね、そこまで想ってくれてるならいいよって。受験終わるまでムリだけど、待っててくれるならその時付き合おうって!」


勇気出して良かったと、加奈子はどこか誇らしげに言った。

キラキラと輝く笑顔は、梅雨特有の重たい空気を吹き飛ばすような勢いがあった。


「そう……なん、だ」

「歩にはお世話になったから、いちばんに報告しなきゃと思って!」

「そっか……。うん。おめでとう、加奈子」

「ありがと! じゃ、クラス戻ってみんなにも報告してくる!」


加奈子は元気よく言うと、スキップ混じりでまた廊下を走り去っていった。