意味がわからないのに、なぜか心臓がドクンと跳ねる。
なんだかものすごく妙なことを言われたような気がしたんだ。
深月に真意を問いただすか、続きを待つか迷っていると、誰かに呼ばれた気がして振り返る。
廊下の向こうから、誰かが駆けてくるのが見えた。
「いたいた、歩ー!」
「加奈子?」
短いスカートをひるがえして、下着が見えそうな勢いで駆けてきたのは加奈子だった。
顔が真っ赤だけど、そんなに長い距離を走ってきたんだろうか。
加奈子はあたしの目の前で立ち止まると、勢いのまま両肩をつかんでぐいっと顔を近づけてきた。
「ち、近い近い! もう、なに?」
「オーケーもらった!」
「はい?」
興奮しきった様子の加奈子は、真っ赤な顔に満面の笑みを浮かべていた。
「だから! 山岡先輩が、付き合ってもいいって言ってくれたのっ!」
「山岡って……ええっ!? あの、最初にあたしがラブレター渡した!?」
「そう! あたしが歩にラブレター押し付けて、渡してもらったあの!」
加奈子はいまにも踊り出しそうなくらい浮かれて見えた。幸せの絶頂って感じで、見ててこっちも嬉しくなるくらい。


