次の日の団体戦で、うちの部の男子は3位に入賞した。

優ちゃんがいないチームは戦力的には下がったけれど、団結力が上がった分驚くほどの強さで勝ち上がった。


準決勝では全員悔しがっていたけれど、表彰式の時にはみんな晴れやかな笑顔に変わっていた。

大会後、賞状を持って部員全員で優ちゃんの病院に行ったらしい。

でもまだ無菌室にいた優ちゃんには会えなくて、白木のおばさんに賞状だけ渡してもらえるよう頼んだそうだ。


あたしは行かなかった。行けなかった。

深月はそんなに気にすることないって言ってくれたけど、いまだに勇気は出てこない。



「去年は白木先輩の応援で行ったんだったよね。インターハイ。今年はどうするの?」

「深月が出るからね。また顧問にみんなで連れてってもらうと思う。……樹里は?」

「え? あたし?」

「樹里も行く? ……深月の応援」


樹里ははっきりとした二重の瞳を、ぱちぱちと大きく瞬かせた。

とても意外なことを言われたというような顔に、首を傾げかける。


おかしなこと、聞いたかな。

樹里なら行くんじゃないかと思ったから聞いたんだけど。


じっとあたしの顔を見つめたあと、樹里はふと息を漏らして「行かないよ」と言った。