君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている




ひたすら剣道に集中する毎日だった。

こんなに剣道漬けになったのは、この道に入って10年、はじめてのこと。


前より1時間近く早く起きて、朝ごはんを食べながら、または持って走って学校に向かう。

それからみっちり朝稽古。深月もあたしに合わせて早く来るようになったから、地稽古メインで朝から激しく打ち合う。

遠慮なくお互いの足りない点を言い合って、確認し合っているとあっという間に始業時間になる。


授業中は居眠りをしなくなった。

その代わり頭の中でイメージトレーニングをするようになった。相手はもちろん他校のライバル選手だ。

最初は難しかったけど、毎日繰り返してるうちにリアルな試合を想像することが出来るようになった。


でもイメージに没頭しすぎて授業中だってことをよく忘れちゃうのがデメリット。

想像と一緒に手足が軽く動いてしまって、先生にバレてよく教科書で頭を叩かれた。

そのたびクラスメイトには笑われて、先生にはあきれた顔をされるけど、みんななぜか仕方ないなって感じで見守ってくれている気がしてる。


「居眠りしないだけマシか?」と先生方も黙認し始めていた。