君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


勢いよく顔を上げ、頬を叩く。


机の上のものを凪払うように全部床に落として、久しぶりにイスに座った。

ルーズリーフに太いマジックで大きく書いたのは『目指インターハイ!!』という、我ながら汚い字だ。


部屋の壁の一番目立つところに貼り付けて、腕を組む。

目標を書いたのなんて、いつぶりだろう。



「うんっ」



気合が入るのが、自分でもわかった。満足だ。

インターハイに出るには、今度の県大会で優勝しなくちゃいけない。

あたしはいつも入賞止まりで、決勝まで進めたことはなかった。悔しい思いもしたけど、それがあたしの実力なんだなっていつからか考えるようになっていた。

別にいいや、楽しければ。試合で勝てなくたって、剣道の楽しさは変わらないんだから。


そんな風に考えるようになって、上に行くことをいつしか諦めた。

優ちゃんはずっと、それを気にしてくれていたんだ。あたしはもっと強くなれるって、信じてくれていた。

あたし自身さえ、自分を信じてなかったのに、優ちゃんだけが。



6月。天気予報はほとんど雨マークが続いてる。

雨は嫌いだ。胸の痛む日は、だいたい雨が降っている。


でも、負けたくないと思った。