苦いものが胸の中に広がる。すごすごと自分の部屋に戻り、ため息をついた。
「また自己中って思われたんだろうなー……」
優ちゃんのために、智花を使おうとした。
自分が智花にしたことを棚に上げて、虫の良い話だと思う。
智花に拒絶されるまで、それが身勝手なことだと気づきもしなかった。本当にバカだ。
自然と目が、机の引き出しに向かう。
吸い寄せられるように近づいて、開かずのそこに手をかけた。
でも結局開けることはできなくて、相変わらず物に溢れた机に突っ伏す。
積みあがっていた漫画本やプリントが、雪崩みたいに床にドサドサと落ちて行った。
やっぱり……開けられない。どうしても。
「……智花に頼ってどうすんの」
優ちゃんの幼なじみはあたしでしょ。智花じゃない。
智花よりずっと優ちゃんのことを知ってるし、長い時間ずっと傍にいた。
あたしが優ちゃんを元気づけられなくて、一体誰ができるっていうんだ。
誰よりも、あたしがいちばん、優ちゃんが元気になるのを願ってる。絶対に。
あたしが、やるんだ。


