君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


久しぶりに智花に会ったら、優ちゃんも元気になるかもしれない。

そういうただの、浅はかな打算だったわけだけど、それを見抜いたみたいに智花は冷めた目であたしを睨んだ。


さっきまで動揺して顔色も悪かったのに、いまはそれをすっかり隠してしまっていた。



「行かない。あたしは関係ない」

「智花っ」

「あたしが行って何になるの? 優くんが元気になるとでも思ってるの? そんなわけないじゃん」

「何で!? 喜ぶかもしれないじゃん!」

「……それ、本気で言ってる?」


三つ編みをほどき、ゴムを投げ捨てると、智花はあたしの肩を突き飛ばした。


「バカにしないでよ!」

「ば、バカになんてしてない」


だって、そうじゃん。智花が優ちゃんを好きだったように、優ちゃんだって友花を……。


「あの人が倒れようが、病気になろうが、死のうが、あたしには関係ない! 2度とあたしにあの人のこと話さないで!」


吐き捨てるように言うと、友花は部屋を飛び出していった。


ひとり部屋に残されて、気付く。智花の部屋から写真が消え去っていることに。

前は3人で撮った写真が、何枚も壁に飾られていた。