夢ならどんなに良かっただろう。
冗談でも夢でもないから、あたしの隣りは、心は、こんなにも寂しい。
「まずは2ヶ月くらい入院だって言ってた」
「優くんが、白血病……? 本当に?」
「うん。あたしもまだ、ちょっと信じられないでいるけど」
「だって、もうすぐ大会だって言ってなかった? 毎日練習してたんでしょ? 元気だったんじゃないの?」
豹変したみたいに勢いよく詰め寄ってくる智花。
自分は関係ない、なんてさっき言っていた妹と、同一人物にはとても思えない取り乱し様だった。
「最近疲れ気味みたいだったけど、そんな病気だなんて誰も、優ちゃんだって思ってなかったよ。本当に突然で……」
「そんな……白血病、なんて」
うろたえる智花は、あたしよりもその病気について詳しいんだと思った。
あたしは怖くてまだ、白血病のことを調べられないでいる。がんだっていう事実だけでもショックだったのに、それ以上何か知ってしまったら、あたしの方が倒れてしまう気がして。
「だから智花、お見舞いに行こうよ。優ちゃん、薬の副作用でつらそうだった。弱気になってた気もするし、なぐさめてあげて」


