君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


「優ちゃんのこと、なんだけど……」

「ああ……入院したんだっけ? 部活中に倒れたんでしょ」


興味なさそうな口ぶりに唖然とする。

まさか智花がそんな薄い反応をするなんて予想外だった。


驚いたり、心配したり、もっとちがう反応があると思ってたのに。そう考えて、はたと気づく。それはあたしの勝手な思い込みで、押し付けだったんだと。

真面目で優しい智花ならこうする、というイメージを勝手に頭の中に作り上げてるんだ、あたしは。


でも……本当に、それだけ? 智花はそんなに根本から変わってしまったの?

そんなわけない、と否定する自分がいる。

だって、智花は優ちゃんのことが好きだったんだから。あんなに真剣に、好きだったんだから。


「優ちゃんに、会ってきた。今日2回目」

「ふーん」

「智花は……行かないの?」

「行くってどこに?」

「どこって……病院。優ちゃんのお見舞いに」

「は? 何であたしが?」


智花は不愉快そうに言って、口元だけで笑った。つまらないことを聞かれたとでも言うように。


「あたしが行ってどうするの? もう2年以上会ってないのに。歩にとっては大事な幼なじみでも、あたしにとってはそうじゃない、ただのご近所さんだし」