君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている





少し開いた窓から吹き込む夜風が、お風呂上がりのほてった身体をなだめるように撫でていく。

雨に濡れながら家にたどり着いた時、身体は冷え切っていた。外ではまだ降り続いている。

雨音を聴いているだけで、また身体に寒さが戻ってくる気がした。


自分のベッドに横になり目を瞑っていると、瞼の裏に優ちゃんの苦しそうな顔が浮かぶ。耳の奥で悲痛な叫びがこだまする。ナイフでぐさぐさと、心を刺される。何度も、何度も突き立てられる。

どれくらいそうしていただろう。階下が賑やかになって、友花が帰ってきたんだとわかった。


階段をのぼってくる小さな足音に耳を澄ませ、隣りの部屋に入っていくのを待って、ベッドから起き上がる。


「智花。ちょっと、いい?」


ノックをしてドアを開けると、同い年の義理の妹は制服から着替えようとしているところだった。


「勝手に開けないでよ。なに?」

「いや……うん。遅かったね」

「勉強会。もうすぐ試験だから」


それって、本当に勉強会?

街で見かけた智花と、その友達の背中を思い出す。


その制服は、どこかで着替えてきたの?

またあの派手な似合わない服を着て、怪しげな友だちと遊び歩いてたんじゃないの?