やめて。もう何も言わないで。
「だから……俺のことは、忘れるんだ」
言わないで。お願いだから。
「もう俺を頼るな。俺に期待するな。自分で考えて、決めて、やるんだ。自分の力だけで、走っていけ」
聞きたくない。聞きたくないよ。
「ここには、もう来るんじゃない」
「やめてよ! どうしてそんなこと言うの!」
あたしも必死だった。必死に、優ちゃんに追いすがる。
見捨てられたくなくて、ひとりにされたくなくて、みっともなく。
「もう優ちゃんに負担なんてかけない! 邪魔もしないし、べたべたしないし、優ちゃんが望むならなるべく距離を置くって約束する!」
つらいけど、それはあたしが永遠を願っていたものと真逆に向かうものだけど。
それでも、優ちゃんに捨てられるよりずっとずっとましだ。泣くことになっても、耐えられる。
「だから忘れろなんて言わないで! 優ちゃんも、あたしの存在を消そうとしないでよ!」
胸が、心が、引き裂かれそうだ。
大切な人を失いかけて、これだ。本当に優ちゃんを失ってしまったら……。
あたしはきっと、その痛みに耐えられない。


