君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


だから、目を反らしちゃいけない。

優ちゃんの嘆きを、あたしは正面から受け止めなきゃならない。


「みんな俺に求めるばかりで、手を伸ばすばかりで、俺から何かを奪っていくばっかりだ! 誰か俺を助けようとしたか? 毎日をこなすのに手いっぱいの俺を気遣って、手を差し伸べてくれた奴はいたか? 俺に何かを与えようとしてくれた存在なんて、ひとりもいない! どいつもこいつも、俺のことなんてまるで見てないんだよ!」



肩で息をしていた優ちゃんが、不意にまた立ち上がり、洗面台に走った。

ガラガラと引きずられるスタンド。その上で揺れる、恐ろしい色をした毒のような薬。


カウンターにしがみつくようにして優ちゃんが吐く。何も出なくても、吐こうとしている。

あたしは何も出来ず、ただ立ち尽くした。



「もう……帰ってくれ」


息も絶え絶えに、優ちゃんはそう言った。

聞きたくない。そう思ったのに、耳を塞ぐことも出来ない。身体の動かし方を、忘れてしまったみたいに。


「お前の5年後に、俺は50%の確率でいない」


やめて。


「それどころか、来年生きてるかどうかもわからない」