君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


小さな頃から、仕事で忙しい両親に迷惑をかけないよう過ごしていたら、優等生と言われるようになった。

わがままを控えて、家の手伝いを率先してやり、親が安心できるよう学校でもよく学び、友人をたくさん作った。

自然と人に頼られるようになり、乞われるまま出来ることをした。

学級委員長になったり、先生の手伝いをしたり、友だち同士のケンカの仲裁をしたり。

勉強だけじゃなく、剣道にも真剣に取り組んだ。才能があると言われ、親に喜んでもらえるよう一層努力した。

年下の幼なじみの面倒もよく見て、惜しみない愛情でもって接してきた。


どれだけ大変でも弱音は吐かず。つらいと誰かに助けを求めることもせず。

時に孤独を感じながらも、ひたすら前向きにやってきた。



「なあ、歩。俺はえらかっただろ? ちゃんと『白木優一郎』として与えられた職務みたいなものを、全うしてきたはずろ? 誰に労われるわけでもない、心配されるわけでもない。『白木優一郎』なら大丈夫だって、根拠のない信頼を押し付けられても、否定なんてせずに受け入れてきたのを、お前はずっと隣りで見てたから知ってるよな?」

「優、ちゃん」


デジャヴかと思った。

つい最近、同じようなことを聞いた気がして。