君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


「がんばってよね。あたし、団体戦めちゃくちゃ応援してるんだから」

「ああ……お前は出たくても出られねーもんな」

「そうだよ! 中学では出てたけど……楽しいよね、団体戦。個人戦とはちがう、次の仲間に繋げる戦いって、熱くなれるっていうか」

「お前、協調性ないくせにな」

「う、うるさいな。とにかく、優ちゃんの代わりにあんたがチームを支えるんだからね! しっかり精進するように!」



だからおかしな雰囲気になっている場合じゃない。

遠まわしにそう伝えるつもりで言ったけど、深月には伝わらなかったらしい。微妙そうな顔で頭をかいている。


「お前って……」

「な、なに?」

「……いや、別に。ところで、あの手紙どうした?」


突然の話題の転換に、身構えてなかったあたしは固まった。

じっと見下ろしてくる猫目に、ゴクリと喉が鳴る。


「ま……だ、渡して、ない」


正直に言った。でもそれは真実の半分でしかない。

まだ渡してないし、渡すつもりもない。それが完璧な答えだ。もちろん口にするつもりは、ない。


「悪いけど、いまは……大会に集中したいから」