「しっかしお前は、他人の恋愛に首突っ込んでられる立場かよ?」
「どーいう意味よ?」
「彼氏のひとりもいたことねぇくせに。このままだとただのメスゴリラのまま高校卒業するぞ」
「放っとけ! あんただって彼女のひとりもいたことないじゃん!」
「俺は女より剣道のが大事だからな。つーか女は面倒くさい。うるさいし、すぐ泣くし、構って構って鬱陶しい」
くそ。モテる男しか言っちゃいけないセリフ言いやがって。
でも実際少なくない数の女子に告白されてる深月だから、なにも言えない。
なにも言えないのがまた悔しい。
「主将だってそうっすよね?」
「うん? 俺?」
「学校でいちばん人気あって、選り取り見取りじゃないすか。でも彼女作らないってことは、剣道の方が大事だって思ってるんでしょう?」
だから俺も剣道一筋でいきます、と深月は言いたいらしい。


