優ちゃんの肩から力が抜けるのがわかった。ほっとしたように息をつき、笑う。
意外、というよりも不思議だった。どうして優ちゃんがそんな顔をするのかわからない。
理解できない幼なじみの表情が、あたしの不安を煽る。それは不快と言っていいほどに。
「何で笑うの……?」
「え? ああ、ごめん。別にバカにしたわけじゃないよ。ただ……良かったなと思って」
「良かった?」
「くだらないことでケンカできるのは、家族だからだろ。ちゃんと家族になれたんだなって、安心した」
ドキリとした。優ちゃんはあたしたちが家族になりきれてないって、ずっと思ってたのか。
ふたつの家族がひとつになるのって、確かに簡単なことじゃない。生活習慣とか、こだわりとか、癖とかそれぞれあるし、慣れ親しんだリズムが崩れるのは必至だ。
あたしと智花は色々分別のつく年にもなっていたし、すんなり仲良し家族に、とはいかなかった。それなりに悩んで、ストレスもあった。
智花はいまだに、そのストレスに晒されている。あたしがそれを、押し付けた。
それは笑えるほどに歪な家族の形だ。いや、家族のなりそこなった、奇妙な何か。


