ただ、目が……言っている。
あたしの考えてることなんて、全部わかってるって。そう言っている。
そんな風に思うのは、あたしが心に疚しさを抱えているからだろうか。だからそう思われてるんじゃないかって、考えるんだろうか。
「浮かない顔だな。珍しく寝不足か?」
「……うん。ちょっとだけ」
薄暗い階段にかけた足を、ゆっくりと動かす。
踊り場に立つ優ちゃんは、窓からのぼんやりとした明かりを背負い、こちらに向けた顔を陰らせている。
色素の薄い髪の縁だけが、白く発光するように浮かんで見えた。
「体調が悪いなら、ちゃんと言うこと」
「優ちゃんこそ……具合悪いって言ってなかったっけ」
「たいしたことないよ。いまはやることが少し多くて疲れてるだけだ」
やっぱり、優ちゃんは完璧だと思う。でもこの完璧も、本当はただのあたしの幻想で、自己中からの押し付けでしかないんだろうか。
優ちゃんも友花みたいに、本心を隠して無理をしてるんだろうか。
あたしのことを、恨んでるんだろうか。
「……あのさ、優ちゃん。昨日ね、智花が……」
智花が、なに? あたしは優ちゃんに、いったい何を話す気?


