「めちゃめちゃ喜んでたよ~。抱き着いてきて、ありがとうって泣きながら言ってた。あたしのおかげだーって」
「まるで告白が成功したみたいな喜びようじゃね?」
「あんたあの時教室いなかったっけ? 事情も知らない他のクラスメイトから、拍手まで起こったよ」
「へー。そりゃあ断りの返事が来た時が見物だな」
なんて、また冷たいことをさらりと言う。
本当になんでこんなヤツがモテるんだか、あたしにはさっぱりわからない。
「それだけ山岡に受け取ってもらえたのが、奇跡だってことだよ。いいことしたな、歩」
もう一度褒められて、あたしは大満足だ。
恋愛ごとなんて面倒だし、なにが楽しいんだって思う。
巻き込まれてちょっとうんざりしたけど、優ちゃんに褒めてもらえるなら悪くない。
むしろ喜んで巻き込まれる。


