今日も友だちと勉強会だと言って、あたしより少し早く家を出た智花。

図書館に行くって言ってたのに、なんでこんな所にいるんだろう。しかも服が、家を出た時とはちがってる。


膝より長い重ためなスカートに、無地のシャツとパーカーといういつもの地味な格好じゃない。

膝丈より随分短いタイトで派手な柄のミニスカートに、腕や首元、お腹の部分が透ける素材のブラウスを着ている。


髪はいつも三つ編みか、降ろしてるか、1つに縛ってるくらいなのに、人波の向こうにいる智花は長い髪を緩くふわふわに巻いている。

学校にもスッピンで行ってるはずが、化粧もしっかりしているのが遠目にもわかった。


あれ、本当に智花? そっくりさんの別人じゃなく?

無意識に足が動いていた。すれちがう人にぶつかりそうになりながら、必死にふわふわの髪を見失わないよう追いかける。


友花はやがてよく待ち合わせに使われてるオブジェの前で足を止めた。よく見るといつものぺたんこ靴じゃなく、随分と高いヒールのサンダルを履いている。

先にいた智花と同じか少し年上くらいの女の子2人が、智花に笑顔で声をかけた。ふたりとも智花以上に派手な目立つ格好をしていた。