君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


当たり前か。洗濯機に自動畳み機能なんてないんだから。


「歩もひとり暮らしをしてみれば、そのありがたさがよくわかるさ」


たまには家の手伝いもしろよと言われて、唇を尖らせる。なんであたしが手伝いをしてないって知ってるんだ。

家には全然顔出してないはずなのに。……もしかして。


「あのさ、優ちゃん」

「うん?」

「あの……最近さ、うちの」


冷蔵庫を閉めて、優ちゃんがあたしを見る。不思議そうに首を傾げて。


うちの智花に会ったりした? 連絡とかとってるの?


そう聞こうとして、でもやっぱり聞けなくて。キュッと唇を噛んでから、誤魔化すように笑った。


「う、うちのお父さん! 水虫になっちゃったみたいでさあ! 家に帰ってきたらお母さんにお風呂に直行させられてんの! 臭いから足洗ってって、ほんとひどいよね~っ」

「歩、お前笑ってるけど俺たちも人のこと言えないだろ? 夏場なんて特に」

「あー……うん。そうでした」


夏の剣道部は危険だ。とりあえず消臭剤の消費量が半端じゃない。防具にも身体にも使うから、あっという間になくなってしまう。

そしてそれだけスプレーしていてもまだ臭い。朝練を控えないと、教室でクラスメイトからクレームが入るくらいだ。