どこがだ。ほんと腹立つなあ。
仕方なく、あたしは今日の昼休みの出来事を優ちゃんに説明した。
事故にあったみたいなもんだし、あんまり話したくなかったんだけど。
「えらいな、歩。ちゃんと友だちの代わりに渡したのか」
話しを聞いて、優ちゃんはえらいえらいと頭を撫でてくれた。
それだけで、深月の無礼を忘れるくらい気分がよくなる。
うん。もうあたし優ちゃんの犬でいいや。
「でも山岡って、3組のだろ? よくアイツが受け取ったなあ」
「優ちゃん、山岡先輩と仲良いの?」
「前同じクラスだったよ。女子からのその手のものは、絶対受け取らないって有名なんだ。告白も全部断ってるらしい」
「それ、加奈子も言ってたなあ」
あの後、教室に帰ると加奈子に泣きながら抱き着かれた。
文句言う気満々だったんだけど、押し付けて逃げてごめんって泣いて謝られたら、責める気にもなれなかった。


