君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


思わずさっきと同じ質問をしていた。だって相談されたのに追い返すなんて、優ちゃんがするわけないと思ったから。


「急ぎの用じゃないし、いいんだ」

「でも……」

「何だよ。今日は随分気にするな? 歩が気にすることじゃないって言っただろ?」


大きな手が、くしゃりとあたしの短い髪を撫でる。

いつもの仕草。なのにどこかちがう。冷たい? いや、それよりも苛立ってる?


「優ちゃん……?」

「それに、助かった。俺が悪かったから」


助かった? 優ちゃんが悪かった?

意味不明の言葉に質問を重ねようとしたけど、この話は終わりとばかりに優ちゃんは玄関のドアを開けてさっさと中に入っていく。

結局あたしはそれ以上聞くことができず、黙ってその背中を追った。


遠慮なくリビングに入ると、途端に食欲を刺激するスパイシーな香りに包まれて、モヤモヤした気持ちが吹き飛んだ。


「カレーだ! 優ちゃん、お昼カレーなの!? あたしも食べたい!」


朝ごはんを食べそこなったあたしの腹の虫が、ギュルギュルと盛大に鳴いている。絶対に食べろと訴えてくる。