優しげに、親しげに、気を許したようにあたしの名前を呼ぶ。
女の人が、少し傷ついたように優ちゃんを見たのがわかった。
その瞬間、あたしの中に生まれたのは大きな安堵と……子どもじみた優越感。
よかった、大丈夫だ。優ちゃんはあの人より、あたしのことを大事にしてくれてる。
「えーと……お客さん?」
あたしの問いかけに、優ちゃんが少し困ったようにシャツワンピースの人を見る。
彼女の目は少しの期待と大きな不安に揺れているように見えた。あたしの、気のせいだろうか。
「ああ……。悪いけど、これから用があるから」
帰ってくれる? と言葉にはしないけど、優ちゃんの笑顔が言っていた。
あたしにじゃなく、シャツワンピースを着た可愛い人に。
「え? でも……」
「ごめんね。歩、おいで」
手招きされて、素直に犬のように小走りでそばにいく。
優ちゃんに寄り添うように、というより少し影に隠れるようにして立つと、シャツワンピースの人からじっと視線を向けられた。
お邪魔虫って思われてるのは確実だ。あたしもわかっててここにいる。


