君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


しかも再婚相手には、あたしと同い年の娘がいるって聞いて、更に追い詰められた。

再婚したら一緒に住むから、学校も一緒になる。小学校はあと1年だからそのまま別々に通うけど、中学からは同じ学校だ。

住んでるのは隣の学区らしく、もし同居しないとしても子どもたちは同じ中学になる。


いきなりそんな話をされて、はいそうですかって受け入れられるほど、あたしは大人でも子どもでもなかった。

おまけに「昔よく兄弟ほしいって言ってじゃない」なんて、自分の家庭環境を理解してなかった幼い頃のことを言われてもどうしろと。

お母さんって、こんなにあたしのことわかってなかったっけ。そんな失望を抱くしかなかった。



「同い年ならすぐ仲良くなれるだろうし、友だちと一緒に住めるってなったら歩も嬉しいでしょ?」


悪気なく言ったんだろうけど、お母さんにその言葉を聞かされたら、もうダメだった。

剣道の練習の帰りに家出した。


家出って言うのは、ちょっと違うかもしれない。

家に帰ろうとしたけど、玄関の前まで来て、ドアを開けられないままUターンしていた。