好きなことを好きなように。まさにあたしを的確に表現していると思う。さすが幼なじみ。
でもこれは褒められているとは言えない。深月も「なるほど」なんて嫌な笑いを浮かべている。
「でも、自分の意思じゃどうにもならないことが起きた時だけは、荒れるんだ。歩は自由が好きだからな」
「それって自分の思い通りにいかないと、癇癪起こす子どもってことじゃないですか」
「ちょっと深月! その言い方は悪意ありすぎじゃない!?」
「まあそんなようなものだな」
「ゆ、優ちゃんまで……」
別に癇癪を起してるわけじゃないと思うんだけどな。
自分じゃ、なんとかならないかって必死に考えたり行動しようとしてるつもりだ。深月には空回りしてるようにしか見えないんだろうけど。
ただ、視野は狭くなってるかもしれない。
焦りが募ると、どんどんそれしか見えなくなる。たぶん、そういう感じだ。
誰だってイライラしたら、多かれ少なかれなると思う。あたしが特別子どもってことにはならない……はず。
「いちばん荒れたのは、小6の時だな」
「小6? 何かあったっけ……あ。そっか、お母さんが再婚した時だ」