君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


俯いて、唇を噛みしめる。

負けた。そりゃあそうだ。ちっとも地に足がついてる感じがしなかった。

ここ最近でいちばん疲れる試合だった。全然ダメだった。


暗い気持ちで礼をしてコートを出ると、傍に設置されている低いフェンスの向こうに優ちゃんが立っていた。

貼り付けたみたいな笑顔は鬼主将のものだ。


うわー……怒られる。

このあと待ってるだろう説教に気が遠くなったけど、優ちゃんがふと表情を引き締めて歩き出すのを見てハッとした。

そうだ、あたしは終わったけど優ちゃんはまだなんだ。


別コートで男子の試合は続いていて、よく見れば深月が戦っていた。

たぶん決勝は、優ちゃんと深月だ。支部戦でふたりの敵になるような相手はいない。


行かなくちゃ。ふたりの真剣勝負を見届けないと。


フェンスの外に出て急いで防具を外していく。

荷物を移動させて男子側のコートに早足で向かえば、奥のコートの傍でうちの部員が固まり座っていた。

合流して、みんなに2位を労われながら前を見る。


徐々に波紋が広がるように、静けさが伝染していく。