君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている


いつも言ってるのに。どう見ても仲悪いでしょって。

でもここでそれを言ってまた深月とケンカになったら、アイスを没収されそうな気がしてギュッと口にチャックする。

深月も同じことを思ってるのか、珍しく反論しなかった。


「どっちにしても、俺はお前たちを見てると安心するよ」


優ちゃんがアイスの袋を開けたので、あたしたちもそれに倣う。すでにゴミが溢れそうになっているコンビニ前のゴミ箱に、それぞれ袋を押し込んだ。

歩き食べはしない。本当は買い食いも優ちゃんは滅多にしないから、こうしてコンビニ前に3人そろってるのが新鮮に感じる。


ちょっと楽しいなと思うと同時に、不安になった。

優ちゃんがいつもとちがう雰囲気を纏っている気がして、落ち着かない。


アイス片手に夜空を見上げる横顔が、なんだか別人に見えた。


「お前たちふたりなら、きっと大丈夫だなって」

「……優ちゃん、何言ってんの? 目、ちゃんと見えてる?」

「そうっすよ。俺らのどこ見て大丈夫なんて言ってるんすか」

「どう考えても不安しかないでしょ」

「そうそう。だって俺らそろって赤点組っすよ?」